ゲーミングモニターの時代はTN?OLED?『BenQ ZOWIE XL2566X+』使用レビュー

こんにちは!c1trusです。
今回はBenQ ZOWIEのXLシリーズモニター「XL2566X+」をレビューします。
VCT Pacifficの公式モニターとしても採用されている競技向けモニターですが、昨今のモニター市場ではどういう立ち位置で、どういった製品なのか見ていきましょう。
※レビューにあたりZOWIE様に商品をご提供いただきました。
BenQ ZOWIE XL2566X+とは
BenQ ZOWIEがE-Sports競技シーン向けに展開している「XLシリーズ」。
24.1インチFullHD、Fast TNパネル、前世代よりも残像が低減されるDyAc2を搭載したシリーズであり、XL2566X+はリフレッシュレート400Hzに対応したモデルとなっています。
VCT Pacifficの公式モニターとしても採用されています。
XL2566X+のハードウェア・各種機能について

旧世代との詳細なスパック比較は以下となります。
変更があったところを中心に重要なところを見ていきましょう!
| スペック項目 | XL2566X+ (新モデル) | XL2566K (旧モデル) |
| パネルサイズ | 24.1インチ | 24.5インチ |
| 最大リフレッシュレート | 400Hz | 360Hz |
| 液晶パネル | Fast TN | Fast TN |
| 残像低減技術 | DyAc 2 | DyAc+ |
| 応答速度 (GtG) | 非公開 | 0.5ms |
| 解像度 | 1920 x 1080 (FHD) | 1920 x 1080 (FHD) |
| 入出力端子 | HDMI 2.0 x3 / DP 1.4 x1 | HDMI 2.0 x2 / DP 1.4 x1 |
| チルト | -5° – 35° | -5° – 23° |
| 高さ調整幅 | 33mm – 521mm | 33mm – 521mm |
| 最大輝度 | 320 cd/㎡ | 320 cd/㎡ |
| 台座のサイズ | 232 x 178mm | 260 x 178mm |
| Black eQualizer | 搭載 | 搭載 |
| Color Vibrance | 搭載 | 搭載 |
| VRR | FreeSync | FreeSync |
| XL Setting to Share | 搭載 | 搭載 |
| Auto game mode | 搭載 | 非搭載 |
パネル・画面サイズ
前世代よりパネルサイズが少し小さくなっています。
とはいえ画素のピッチは変わらないですし、言われないと気づかないレベルです。
またリフレッシュレートが360Hzから400Hz対応へと変更になっております。
入出力端子 / 電源

DP1.4は変わらずですが、HDMIの端子数は1つ増え3つになっています。
入出力端子の方向がよくある下方向ではなく、横向きへと変更されています。
モニターの下を覗き込む必要はなく、ケーブルの抜き差しが楽。
ケーブルがモニターの下からはみ出たり、曲げることによる断線も気にしなくて良いです。

全てのモニターがこうなるべきです!素晴らしい!
またモニターが電源を内蔵しているため、ACアダプターがありません!
その分モニターが少し分厚くはありますが、
正直そんなことは気にならないレベルにこれがいい。
セットアップも楽ですし、デスク下がデカいアダプターやケーブルでかさばることもない。

正直モニターの裏がちょっと太いぐらい全然いいので、
どんなモニターもこうなって欲しいぐらいですw
チルト


手前方向のチルト角度範囲が広がっており、
最大35°までチルトすることが可能となっています。
スタンド・コントローラー

台座のサイズが一回り小さくなり、付属のスタンドを使用しても、
さらにキーボードやマウスのセッティング自由度が上がっています。



角度や高さ調整にメモリがついていたり、スタンドの上にモニターを持つための取手がついていたり、非常にセッテイングへの配慮が細かいです。

設定変更用のコントローラーも付属します。
登録した設定をすぐに呼び出したり、画面の裏に手を回さなくても手元で操作できます。

はじめは必要か…?と思ってたんですが、マウスみたいな感覚で設定変更できるので直感的で便利だと思います!
無線だとより嬉しいな…というところでしょうか。
DyAc2
液晶モニターは性質上どうしてもモーションブラー、
ホールドボケを避けることはできません。
それはつまり「液晶モニターはどうしても残像感が残ってしまう」ということです。
DyAcシリーズはブラウン管の現像処理をシミュレートしたバックライトコントロールによって、残像感を極めて低下させることが可能な技術となっています。
他社製品にも似たような黒挿入技術はいくつか存在しますが、
最大輝度の低下が大きかったりフリッカーが強かったりすることがあります。
DyAc2は上限分割のデュアルバックライトで輝度低下も大幅に改善され、クロストークも改善されているため、画面全体において明るさを保ったまま残像感がかなり低減されます。

これがZOWIEモニターを最強たらしめる機能です。
Black eQualizer / Color Vibrance

どちらも敵やオブジェクトの視認性を上げるために、競技ゲーマーには欠かせない機能となっています…!
Black eQualizer
暗所を明るく白っぽく表示することで、視認性を向上させるための機能です。
0-20の21段階で調整することが可能です。


同条件下でカメラによる撮影比較を行っていますが、
かなり暗いところが見えやすくなりますね。
Color Vibrance



色の鮮やかさ、トーンを調整することで視認性を向上させるための機能です。
0-20の21段階で調整が可能で、10が機能無効状態となります。
0に近づくにつれモノクロになり、20に近づくにつれ彩度が上がります。

また2566X+では旧世代にはなかった、RGBCMYによる詳細な色味調整も追加されています。
XL Setting to Share / Auto Game Mode

旧世代に引き続き、「XL Setting to Share」で自身のプロファイルを保存したり、
プロやストリーマーの設定を読み込んで使用したりする事が可能です。

またXL-Xシリーズでは「Auto Game Mode」が実装されており、プロファイルとゲームを紐づけておくと、ゲームが起動すると勝手にプロファイルが切り替わってくれます。

ゲームタイトル別に設定して自動切り替することが可能…!これが便利です!
僕がゲームで利用している設定はこちらからDL可能ですので、試してみてくださいね!
高リフレッシュレート対応/400Hzについて

巷では240Hz以上は意味がない!などと言われていますが、実際どうなんでしょうか?
まず結論からお話すると、「240Hzと400Hzは明確な差があり別世界である」というのが実感です。
筆者はこれまで240HzのTN/OLED、360HzのIPS、480HzのOLEDなど多種なモニターを使用してきましたが、XL2566X+の400Hzも例外ではないです。
60Hzから240Hzへの感動よりは変化は少ないですが、明らかに視認性は高くなり動作もヌルヌルなので、インゲームでの使用感はやはり格別です。
またOW2/VALORANTなど現在人気の高い競技FPSは、比較的PCへの負荷が低くミドルペックのPCでも400fpsを維持できるため、XL2566X+の400Hz-500Hzあたりは需要としても高く市場にフィットしてるように感じます。
Fast TNパネルの採用について
近年はOLEDパネルのモニターが普及してきており、
240Hzから480Hz対応のOLEDパネル採用のモニターが市場にたくさん登場しています。
ここで一つ疑問が出てきます。

ZOWIEはなぜOLEDではなく、Fast-TNを選び続けるのか?
パネルの応答速度ではFast-TNの速さを持ってしても、
OLEDの応答速度には太刀打ちできません。
PCではゲームだけではなく、色んな作業やエンタメ鑑賞もするでしょう。
と言う面から見てもOLEDは鮮明な色彩とコントラストで優位です。

ではXLシリーズはFast-TNなのか?
それは「長年ナレッジの培われてきたTNパネルの安定性と信頼性」と、
「FPSで求められるモニターは素早く的確に反応できる環境である」という2点が理由です。
OLEDもかなりの進化を遂げ、日常使用では焼付きやパフォーマンス低下はかなりなくなってきていますが、TNパネルと比べると問題の発生確率や修復ナレッジはまだまだ足りないです。
TNパネルと高リフレッシュレート・残像低減を用いることで、
安定性と信頼性を確保しながら素早く的確に反応できる
競技中に問題の起きないモニターを作るという思想。
それがZOWIEがFast-TNを選択している理由だと考えられます。

率直な意見としては、大多数の一般ピーポーはOLEDを選んだほうが幸せになる確率は高いです。
ただ、競技シーンで活躍している人、これから目指したい人、世界ランカーを本気で目指したい人は選ぶ価値が大いにあります。
直近ではG-sync Pulsarなども登場しているので、
今後のZOIWEの動きにも注目です。
同価格帯のOLEDと比較して
XL2566X+の実売価格は11万から13万程度となっています。※2026/2現在
同価格帯の対抗馬としては、WQHD240Hz-480HzのOLEDがやはり上がってくるので、
使用感の差を体験ベースでまとめていきたいと思います。
比較すべきポイントは以下。
- OLEDとFast-TN(従来のパネル)では映像表現や鮮明さコントラストなど質感がまるで違う
- XLシリーズは24インチFHDであるのに対して、OLEDは27インチWQHD以上が主流であり画面サイズも解像度も違う

どちらも正直好みや慣れと言ってしまえばそうなので、
簡単に個人的に感じた懸念や違いを記しておきます。
表現の違い
表現の違いは従来からのプレイヤーには違和感に感じることもあると思います。
特に長年従来のパネルでプレイしてきているとOLEDはプレイ中の違和感を感じます。
解像度
解像度に関しては「FPSにおいて高解像度のメリットはない」と、
しばしば語られることもありますが、私はそう単純ではないと思います。
高解像度である方が圧倒的に敵の頭の視認性が高く、視力が良くなった感じがします。
一方でFHDではやはりぼやけたドット感を感じます。
どちらがヘッドショットを狙いやすいかと言われると、
個人的には高解像度のほうが狙いやすいです。
ただドット感がヘッドを狙いやすいって人も一定数いると思うので、
好みの問題も少々あるかなと思います。
画面サイズ
画面サイズは本当に好みですかね…
画面距離によっても適正サイズは変わってきますし正直慣れも大きいですが、
32インチはさすがにFPSには大きいかなと思います。27インチは無問題。
画面をかなり近づけるのであれば24インチを選択するのが良いかなと思います。
240Hz OLED(4K) vs 400Hz Fast TN(FHD)
画像としてみたときのパッと見の視認性はOLEDの勝ち。
ただリフレッシュレート240Hzと400Hzの差は大きく、
インゲームでの敵の視認性の高さは圧倒的に400Hz Fast TN(FHD)です。
400Hz Fast TN(FHD) vs 480Hz OLED(WQHD)
これは480Hz OLEDが全体的に優勢かなと感じます。
懸念になるのはWQHDで480Hzを維持できるPCであるのかという点。
そこがクリアできないなら圧倒的に400Hz Fast TN(FHD)が良いです。
同リフレッシュレートの Fast TN vs OLED

OLEDの勝ち!とはそう簡単にならないのが、DyAc2のすごいところ…!
黒挿入等の残像低減がない状態ではOLEDに軍配が上がります。
ただここで問題になってくるのは、OLEDも残像低減技術搭載モデルはありますが、
多くは使用に際して最大リフレッシュレート制限がかかっていることです。

高リフレッシュレートで使用できないことが多いんですよね…
低リフレッシュレートの救済技術のような実装になっています。
そうなると、どうなるか…?
例えば360Hz Fast-TN (DyAc2 ON) と 360Hz OLEDを比較した時に、
応答速度ではOLEDが勝るものの、DyAc2によって大幅にホールドボケが改善された結果、
OLEDのほうがホールドボケが残ってしまうという現象が発生します。
そうすると Fast-TN DyAc2 のほうが敵の視認性が良くなります。
(おまけ)OLEDの24インチシミュレーションについて
OLEDでは従来のプレイ感を損なわないために、
24.5インチをシミュレーションできる機能があります。
ただ…
- ドットバイドット以外のシミュレーションは正直論外
- ドットバイドットでもFHDより解像度が高くなる
- 切り替えが面倒で使わなくなる
というのが使用した正直な感想です。
これを使うぐらいなら24インチFHDモニターを使用するか、
27インチ/32インチに慣れるほうが圧倒的に良いですね。

じゃあ要点をまとめると…?
さいごに

今回はBenQ ZOWIE XL2566X+を詳細にレビューしました。

ZOWIEの哲学と高い技術力が詰め込まれたモニターであり、
高い品質とゲームプレイ体験を与えてくれるモニターです。
ただ万人にオススメできるモニターというわけではなく、
「esportsというスポーツの道具として、勝ちに導くことに大きく焦点が当てられたモニターである」
ということは理解しておくべきです。
ゲームでの使用がほとんどであり、プレイヤーを目指していたりランクを突き詰めたい人には非常に投資する価値のあるモニターです。
逆にそうでない場合は、
同じ予算でOLEDモニターを購入したほうが良いことも多いと思います。

ZOWIEの技術力と一貫した哲学によるものづくりは、
個人的に本当に素晴らしいと思います。
ぜひ一度体験してみてくださいね!では!

