これがDD本気の60%ゲーミングキーボード!!「DrunkDeer X60 Future」使用レビュー
はじめに

こんにちは、c1trusです!

今回は12/15より発売開始の「DrunkDeer X60 Future」を詳細にレビューしていきます。
結論としては、
- トップクラスの精度と低遅延
- 明快で扱いやすいWebドライバー
- ハードウェアの品質が良い
- アイコニックなデザインが唯一無二
と非常に競技向けクオリティなキーボードとなっています。
それでは、ソフトからハードまでしっかり詳細に見ていきましょう!
※レビューにあたりDrunkDeer様から製品をご提供いただきました。
デザイン

めっちゃビジュいい…!
近年のDrunkDeerは、キーボードの構造含め他にないアイコニックなデザインを生み出していて、非常に好みですし企業としての意欲を感じます。

フロストPCBキーキャップのカラーリングと、目を引く他にない形状のライティングバー、それに加えこの背面のかっこよさ。



ミニマルなデザインではないですが、世界観を持ってかっこよくまとめられているのが非常に好印象。
ハードウェア
ケース
ホロウアルミニウムケース採用。
底面に穴が空いている仕様になっています。
重量は1.15kg。
アルミもきめ細かいマットで高級感のある加工がされています。
加工精度も高く非常に美しい仕上がりです。最高。
ケース前方の手首側が22.4cmで少し高めなので、
人によっては角度がついてしんどくなる可能性あり。

その場合はリストレストを使用しましょう。

内部構造
マウントはトレイマウントです。
アルミプレート採用で、プレートにある5箇所のネジでトレイマウントされています。

PCBを持ち上げると3箇所にケーブルがあります。1本はドーターボード用、2本はLED用です。
取り外すときはケーブルの断線に気をつけましょう。

底面はハニカム形状のシリコンとIPXEウールが敷かれており、
高周波ノイズとケース内反響の抑制と、衝撃の吸収がなされています。



このハニカム形状のシリコンによってトレイマウントでも硬すぎない音や感触を生み出していると感じます。
全面のシリコンが詰まっているのではなくハニカム形状なのがミソ。
PCBとプレートはネジで止められており、間に挟まるウールで反響や低周波の吸音、打鍵感へのクッション性を確保しと、PETシートで高周波の音を抑えつつクリアな打鍵感を生むよう調整されています。


トレイマウントでも良い打鍵感と打鍵音を実現できると言いたげな構造です。
スイッチ
DrunkDeerのQianスイッチを採用。
高精度かつ音が整ったスイッチです。
以前レビューしたこちらを参考にしていただけると幸いです。
キーキャップ

FrostedのPCキーキャップを採用。厚さは実測値で1.1mmで薄め。
素材にPCを利用するキーキャップは硬くて高い音に鳴ることが多いが、
薄いからか軽めで、そこまでは硬質な感じを受けません。
肌触りもフロスト加工のため適度に滑り、
タイピングとゲームプレイ共に使いやすいです。
加工も綺麗です。
打鍵感・打鍵音

動画で打鍵音を確認していきましょう!
打鍵音いいですね!!
Qianスイッチの優秀さもありますが、トレイマウント由来の打鍵音や打鍵感の硬さをほぼ感じず、ケース内の共鳴やノイズはキレイにチューニングされていると思います。
打鍵感も少々硬めな部分はありますが、長時間の使用でも疲れにくい部類だと思います。
スタビライザーのルブがちょっと良くない部分があるのと、品質が高いとは言えないので、
自身でルブし直すか、別のスタビに変更するのもの手かなと思います。

打鍵感や打鍵音は今まで使ってきたトレイマウントでもトップクラス…!
ラピッドトリガーの精度、遅延について
以下はNeon Testerにて計測しています。
| keyboard | keyup(ms) | keydown(ms) | 備考 |
| drunkdeer a75 ultra | 0.739 | 0.467 | |
| amisis sololeveling | 0.944 | 0.456 | |
| wooting 80 he | 0.468 | 0.461 | タキオンモード |
| tofix | 0.373 | 2.818 | 多分MCUの問題でKey Downがおかしい |
| melgeek real67 | 0.403 | 0.214 | |
| pcmk3 60 he | 7.82 | 0.238 | 多分MCUの問題でKey Upがおかしい |
| attack shark r85he | 0.36 | 0.848 | |
| drunkdeer x60 | 0.542 | 6.763 | 速いところは0.4msほど |

トリガー遅延(KeyDown)のバラツキが多すぎる(Neon TesterとMCUの問題?)のですが、
リセット遅延は0.542ms、トリガー遅延は速い値で0.4msほど(これが多分正解)なので、
最短設定でWooting80HEのタキオンモードと同等程度だと思われます。
ソフトウェアについて
X60 FutureはWEBドライバーに対応。

ファームウェアアップデート
設定を始める前に必ずファームウェア更新をしておきましょう。
右上の歯車マークから設定に飛ぶと更新することができます。

カスタムキー

こちらからキーのリマップが可能です。
- キーリマップの制限無し
- 割当不可なし(注意点あり)
- レイヤー4つ
- オンボードプロファイル4つ
- プロファイル変更やマルチメディアキーの設定も可能
自由度とカスタム性がは高めで、操作性も良いと思います。
レイヤーも4つあれば60%キーボードでも十二分な操作性を確保できます。
注意点としては以下。
- IME ON/OFFがない
- プロファイル変更を含む一部キーが変更可能なのに、下のキー一覧にない

IME ON/OFFはどの磁気キーボードも実装して欲しいです…!
一部キーが変更可能なのに、下のキー一覧にないため実質変更不可となっているのは早急に対処したほうが良いと思います。
高度なキー
こちらではMod-TapやSOCDなど拡張機能を設定可能です。

デュアルエフェクトクリック(Mod-Tap)
1つのキーで短押しと長押しを利用して2つの機能を実現できる機能です。

タイピング用途では短押しに日本語と英語切り替えを、長押しにAlt(X60はIME ON/OFFがないので不可)を割り当てたり、ゲーミング用途ではShift短押しでアビリティ、長押しでダッシュなど色んなシーンで利用されています。
長押し時間がデフォルトの200だとMod-Tapがうまく機能しない場合もあるので、
個別に調整して意図した動作になる確認しておきましょう。
DKS
1つのキーでキーストロークに応じて最大4つの機能を割り当てることが可能です。


インゲームでは浅め歩き、深め走りや、しゃがみ/伏せ、アビリティの使い分けなどを1つのキーの押し込み具合で調節したりできます。
トグルスイッチ
一度押せば押している状態が維持され、再度入力されると切れる機能です。


通常Shiftキーを押しながら走るのを、1回Shiftをタップすると押し続けなくても走りになり、再度Shift入力で歩きに戻せたりします。
RS(Rappy Snappy)
深度優先と呼ばれる処理方法になります。
2つのキーを同時に押すとストロークが深い方のキーが優先されます。



音ゲーの高速連打の補助、カウンターストレイフの高速化などがメリットです。
SOCD(Snappy Tappy)
バインドされたキーが同時に押された時、どちらか一方のみを優先して入力を有効にする(最後入力優先 or 絶対優先)か、または両方とも無効にするか(ニュートラル)を設定できます。


こちらもカウンターストレイフに有効です。
Rappy Snaapyとの差は優先順位の決定方法にあります。
深度を利用するのか、入力順を利用するのかの差になります。
パフォーマンス
ラピッドトリガー関連の設定はここです。

アクチュエーションポイント

「どこまで押し込むとキーが反応するか」と認識してください。
キーが反応するまでの距離になり、浅ければ浅いほど当然キーの反応は早くなりますが、
誤動作の元にもなりますので自分にあった設定を見つけましょう。
APを超えると、次項のラピッドトリガー機能がONになります。
X60 Futureでは0.01mmが最短で、0.1mm単位で変更することが可能です。
ラピッドトリガー/連続ラピッドトリガー

「どれだけ離すとキーの反応がなくなるか、また押し込むと反応するか」と認識してください。
リリース(リセット)はキーが反応しなくなるまでの距離になり、短ければ短いほどキーの入力が早く切れるので、VALORANTなどのストッピングが早くなり有利になります。
押下(作動)はラピッドトリガー起動中のAPとなります。
短いほどストッピングからの動き出しが早くなるということになります。
X60ではRT0.01mmまで、0.01mm単位で設定が可能です。
連続ラピッドトリガーは、一度トリガーが起動すると完全にキーを離すまで
ラピッドトリガーが維持されます。
ボトムデッドゾーン/トップデッドゾーン

デッドゾーンとは、「誤動作を防ぐために、AP/RTの反応しない区間」と認識してください。0mmにすることも可能です。
低ければ低いほど誤動作の確率は上がりますが、反応は早くなります。
スイッチのプロファイル
キーごとにスイッチのプロファイルを選択できますので、KS-20互換であればホットスワップ可能。ご自身が利用のスイッチプロフィルを選択しておきましょう。

プロファイルの選択肢はもう少し増やして欲しいですね!
極端な設定や磁束の高いものを選ばなければQianのプロファイルでも基本は問題ないはずです。
キャリブレーション
左上にキャリブレーション開始ボタンがありますので、
使用前は必ずキャリブレーションするようにしましょう。
プロファイル
プロファイルは4つまでオンボード保存可能です。


タイピング、ゲーム①、ゲーム②みたいな使い方も可能ですね!
非アクティブもあるので、色んな設置を用意して入れ替えることも可能です。
ライティング
こちらからバックライト、ライティングバー、ケース背面のライトを制御することが可能です。

またPCBのバックライトはNorth,Southのデュアル採用になっていて、
下のみ、上のみ、両方の選択が可能です。




デュアルディフューザーのスイッチを利用すれば、最大限のLED効果が楽しめますね!
最後に

今回はDrunkDeer X60 Futureを詳細にレビューしました!


非常にアイコニックなデザインで、打鍵感や打鍵音に対するアプローチが毎回独自性があって意欲を感じるDrunkDeer製品。
X60 Futureはその中でもフラグシップな性能と安定性、
打鍵音や打鍵感を備えたキーボードでした。
ソフトウェアの細かな部分や、ハードウェア的に惜しいところはありますが、
総じて出来の良いキーボードだと感じます。

A75 UltraとX60 Futureは買って後悔しないキーボード!
では!
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