ロープロファイル界に革命を「Chosfox x Masro Vero75」使用レビュー

こんにちは、c1tursです。
今回は個人的もとても楽しみにしていた、Masro氏とChosfoxが共同で制作された
ロープロファイルキーボード「Vero75」をレビューしていきます。
今年もたくさんの魅力的なロープロファイルキーボードがリリースされた中で、
Vero75はどのような立ち位置で、どんな価値を見せてくれるのか見ていきましょう。
ぜひ現在開催中クラウドファンディングの検討材料にしていただければと思います。
※レビューにあたりMasroさんから商品をご提供頂きました。
デザインについて

僕が語るよりぜひMasroさんのnoteをお時間ある時に読んでみて欲しいです。何を考えてプロダクトデザインされたのかを知ることができて、非常に有意義です。

僕自身が使ってみて思うことは以下です。
- シンプルながらも飽きのこない名作家具のような落ち着き
- 光の反射が一定で、非常に高級感のある作り
- デスクに置いた時に、静かながらもアイコニックさを出してくれる
インテリアに馴染みながらも、アイコニックさと高級感を失わない、
常に空間とやる気を上げてくれる、そんなデザインだと感じます。

横に並ぶPantellaもニッコリのデザイン。
個人的には大満足です。
ハードウェア
ケース
オールアルミニウムのケースで、非常に美しいCNC加工が施されています。

280 グリットのAnodized処理が施されていて、非常にきめ細かいです。
これがマット感を出して落ち着いた外観生み出し、きめ細かい質感を出しています。


背面は大きめの足が2つあり、ここでチルト角度も固定となっています。(中はバッテリー)
背面も美しい流線型のデザインで、センター下にBT/2.4GHz/有線の切り替えスイッチがあります。

個人的には大きな足が音質面で苦手なことが多いですが、どう影響しているのか楽しみです。
重量は1.1kgでロープロファイル界では重量級。
この重さが安定感と高級感を生み出しています。
iQunix MQ80が同程度の重さです。Lofree Flowなら2台分。
内部構造
Flex Cut PC Plateを採用しています。
オプションでFR4/CFプレートの選択ができるようです。


ロープロファイルでカスタムできるのは、ほぼないはずなのでアツイ…!
PCBとの間には、以下が挟まれており調音されています。
- poron cotton
- ipxe pad
- pet cushion
Poronは反響や低周波の吸音、打鍵感へのクッション性に寄与し、
IPXEは高めの音のノイズを抑え、歯切れがよく明るい音を加えるのに寄与します。
PETは高周波の音を抑えながらも、ミュートしすぎずクリアな音と感触を得るのに寄与します。

PCBの下とケースボトムとの間には以下のフォームがあります。
- poron bottom cotton
- poron packing cotton
- pet sealing film
Poronは所謂ケースフォームの役割を果たしており、
主にケース内部の低周波や響きを抑制してくれます。
高周波のノイズを抑えるPETが一番下に敷かれているのは、その下にバッテリーなどが
あるため、干渉により発生するノイズを抑えるためだと思われます。

マウントはガスケットマウントが採用されています。
ロープロファイルでスペースが限られている中、
トップケースにシリコンガスケット用の切れ込みがあり、
ボトムケースと挟み込みネジ止めすることによって、
マウントを実現しているように見えますね。

個人的に少し問題に感じた点は3点。
- 切り替えスイッチの位置
- リボンケーブルの処理
- フォームがずれやすい
接続切り替え用のスイッチについて。

個人的にこのスイッチはあまりここにある意味を感じませんでした。
キーボードの手前を持ち上げて接続を切り替えることは、あまりないと思うのでキーボード裏面の上側のほうがアクセスが良かったような気がします。

次にリボンケーブルの処理について。

テープで止めてあるのですが、すぐ取れやすいのと、
トップケースを締める時に挟みそうになるのが気になりました。


フォームがずれやすい件について。

フォーム類もカスタムしやすいようにのり付けなどされてないのはいいと思いますが、不器用なのもあってボトムケースに載せて締める時に、ちょっとズレて調整して締めにくいを繰り返しました。
ロープロでスペースに制限があるし、貼り付ける以外にずれないような機構も難しい気がするので、カスタム性を担保するならこれが最適かなとは思いますが、もう少し作業しやすいと良かったな~とは思います。
キーキャップ
Dye-Sub PBT採用。厚さは実測で1.4mmです。

プロファイルが少し面白くて、
上から下にむかって円弧を描いているように見えます。
数字キーやFnキーなどが通常とは逆方向に傾斜が付いています。

上のキーを打鍵した時に手首に角度がつきにくく楽だと感じました!
なのでそういった配慮と、チルトが変更できないことへの配慮かなと考えています。
キースイッチ

スイッチはKailh White Rainと、静音のDeepSea Silent Linear Islandから選択可能。

今回はWhite Rain搭載モデルのレビューとなります。
| White Rain | |
| Type | Linear |
| Actuation Force | 50±10gf |
| Pre Travel | 1.2mm±0.3mm |
| Total Travel | 2.8mm±0.25mm |
| Stem / Housing Material | POM |
オールPOM素材でできており、深みと厚さのある低音寄りのサウンドを出してくれます。
ファクトリールブで非常に滑らかで、掠れや擦過音、バネ鳴きなどは感じません。
軸ブレもあまりなくタイト。トップアウトも適度に抑えられています。
人によっては50±10gfなので少し重めに感じるかもしれませんが、
Pre-Travelが浅く荷重変化も大きくないので、そこまで問題にはならないと思います。
打鍵音・打鍵感

動画で音を確認しましょう!
非常に整った音をしています!
深みと厚さがありながらも、歯切れの良さも感じるサウンドです。
ケースの反響やノイズなどは感じず、クリーンでバランスが取れていると思います。
打鍵感も適度に柔らかく心地よいタイプフィーリングで、
長時間使用しても疲れが来ない感触です。
気になるとすれば以下です。
- スタビライザーのあるキーが重く、レスポンスが若干悪い
- 他より硬質なフィーリングとピッチの高いキーがある

フォーム調整したり、プレート変更も可能なので、
感触や音をここから調整して詰めることも可能です。
さいごに


今回はChosfox x Masro Vero75をレビューしました。
デザイン性の高さ、打鍵音と打鍵感の調整関しては非常に高いレベルで完成されています。
好みの問題もあるので一概には言えませんが、
現時点でこれよりもフィーリングの良いロープロキーボードは個人的にはないです。
仕事道具としての使いやすさ、快適さ、インテリアとしてのアイコニックさ、
どれをとってもデスクに置くにふさわしい一台だと感じます。
技適ありのTri-Mode接続でQMK/VIA対応もありがたい。
問題点や気になるところを上げましたが、基本的にカスタムする際に気になるところで、
通常のフィーリングに影響するのは、接続切り替えスイッチの使いやすさぐらいかなと思います。
また本編では触れてませんでしたが、持ち運びを前提とする方には向きません。
そういった場合は他製品を選ぶことをオススメします。
基本的に毎日デスクで使う方にとっては、最高の相棒になる可能性を秘めています。

個人的には、
- 家や職場はVero75
- 持ち運びはFlow2
っていう構図が使いやすいなと思っています。
では!
商品リンク
現在Kickstarterにて予約受付中です…!
通常よりも少しお安くなっいますので、ぜひこの機会にご検討ください!

