キーボード

使やすいWebドライバーと精度が非常に良い「Tofix Tofu60 HE」使用レビュー

c1trus

はじめに

c1trus
c1trus

こんにちは、c1trusです!

今回はKBDfans Tofix Tofu60 HEを詳細にレビューしていきます。

結論としては、

  • トップクラスの精度と低遅延
  • 非常に明快で扱いやすいWebドライバー
  • ハードウェアのビルドが丁寧

以上のような、非常に競技向けクオリティなキーボードとなっています。

それでは、ソフトからハードまでしっかり詳細に見ていきましょう!

※レビューにあたりHYPESHOP様から製品をご提供いただきました。

メリット/デメリット

メリット
  • 利便性が良く、自由度の高いWebドライバー
  • 自動キャリブレーションの精度が良く、RTの動作安定性が高い
  • 実計測でトップクラスの低遅延
  • パーツ選定・ビルドの質が良い
デメリット
  • 競技用向けのビルドなので、打鍵音や打鍵感にこだわるなら別の選択肢もある

ハードウェアについて

ケース

KBDfans Tofu60 Reduxを採用。

シンプルなデザインとGH60互換のトレイマウントで、
多くのカスタムに使われてきたアルミケース。

加工精度も良く定番になるだけあるケースです。

内部構造

キーキャップを以下のように外すと、6箇所の銀色ネジが現れるので外します。
すると基盤だけ取れるので、取り外します。

c1trus
c1trus

PCBに直付けのドーターボードなので、配線とかは気にしなくても大丈夫です!

ケースフォームはPoron素材で上質です。

ウェイト部分もフォームが入っています。
KBDfansではブラスのウェイトなども販売されていて、打鍵音と重さに変化が出ます。

PCBとケースの接触部分にもパッドが貼ってありますね。

c1trus
c1trus

非常にビルドが丁寧で心遣いを感じます!

次にプレートと基盤の分解です。
スイッチを外したら、プレートの黒いネジを外していきます。

アルミプレート、サンドイッチフォーム、シートとPCBに分解することができます。

スタビライザーはCherryのPCBスクリューインスタビライザーを採用。
精度が良く打鍵感がいいです。

c1trus
c1trus

ちょっとルブが多かったり少なかったり差があるので、
調整できる人は調整したほうがいいかも!

スイッチ

Mount Tai HE GTWS Flux Deep Clacky(WASDのみ)を採用。

Mount Tai HE GTWS Flux Deep Clacky
Initial Force35gf35±5gf
Bottom Force47gf50±7gf
Total Travel3.5mm3.5±0.1mm
StemUPE & POMPA66
Bottom HousingPCPA66
Top HousingPCPC
精度 (RT)0.005mm0.005mm

Mount Tai HE GT

荷重はゲーミングとしては一般的。

ボックスステムで3本のレールがあり、軸ブレは皆無ぐらいないため
精度検出の面で非常に優れています。

オールPCBハウジングにPOMとUPE混合ステムのため、
非常にカチカチとしたソリッドな高い音がします。音は大きめ。

ボトムアウトの音は高めですが濁りがなくクリアです。
トップアウトが非常に特徴的なチュンチュンした音があるので、
音は非常に好き嫌いが分かれます。

一体型構造で分解できないためルブを追加することも不可能になります。

c1trus
c1trus

競技FPS向けの超精密で安定した精度面を意識した選択としては非常に正しいと思います。

トラベルの実測値は3.4mmとなります。

WS Flux DeepClacky

荷重はゲーミングとしては一般的。

8角形のステムで軸ブレはMount Tai同様タイトなため、
精度検出の面で非常に優れています。

音は通常Fluxのソリッドで高い感じではなく、
厚みがあって濁りのある中音域のサウンドです。

Clackyさはあるのですが、そこに膜がかかった感じの音がします。
どちらかと言うとThockyよりで、音量は中間的。

トップアウトは個体差が少しありますが、
上手く抑えられています。少しルブを足してあげてもいいかも。

c1trus
c1trus

ステムがPA66と何か(POM?)を混合しているらしいので、
ステム素材とステムの太さがこの音に影響していそう。

ステム
トップハウジング(PC)
ボトムハウジング(PA66)
c1trus
c1trus

精度面では大きくMount Taiと変わらないので全部Deep Clackyで!と言いたいところですが、高価なスイッチなのでDeep Clackyが好みだった方はHYPESHOPさんで購入しましょう!

キーキャップ

PBTfans WOB/BOWを採用。

KBDfansにて単体で販売されており、
人気も品質も高いDoubleShot PBTキーキャップです。

実測1.5mmで厚さは十分あり、肌触りはザラッとめで指紋も残りにくく、
標準キーキャップとしてだけでなく、キーキャップとしての品質が高めです。

打鍵感・打鍵音

c1trus
c1trus

動画で打鍵音を確認していきましょう!

※Holy verは所持していたHoly60に入れ替えただけなので、実際の製品とは異なる場合があります

Tofix Tofi60 HE (Mount Tai HE GT)

Tofix Holy60 HE (Mount Tai HE GT)

Tofix Holy60 HE (HUANO Omega w/Hand Lubed)

Tofu/Holyともにトレイマウントという構造上、
どうしても打鍵感や打鍵音は硬めです。

ただ不快な硬さや打鍵音ではありませんし、
しっかり調音されているので音は良いです。

c1trus
c1trus

好みに寄せたいのであれば、スイッチで調整するかケースを変更するのが良いです!

Tofuのほうが少し反響を感じるのと、
ケースの足が長いためデスクに音が伝わって低音が増幅され気味かなとは思います。

Holyは足が4点なのと、ケースも穴開き構造なので
こちらのほうが反響等は感じにくいです。

c1trus
c1trus

おまけのHUANO Omegaはハンドルブ済みですが、音良くないですか!?感触もメカニカルに近く、軸ブレもほとんどないのでこちらに変更するのもオススメです。

ラピッドトリガーの精度、遅延について

Neon Testerにて、リセットとトリガーの遅延を計測しました。

  • リセット遅延:0.356ms (参考値:Wooting80HE 0.49ms)
  • トリガー遅延:4.098ms (参考値:Wooting80HE 0.75ms)

となっています。

c1trus
c1trus

いくつかのキーボードでトリガー遅延がうまく測れないケースが発生しており、Tofixもトリガー遅延が異様になっています。実際は遅くても1ms周辺だと思われますので、解決次第更新しておきます。

精度に関しては環境要因もありますが、自動キャリブレーションで
「RT0.005mm/ボトムアウト保護0.01mm」あたりから安定しました。

c1trus
c1trus

実測0.015mmあたりから安定するので、非常に低遅延高精度ですね!

ソフトウェアについて

Tofix60 HEはWEBドライバーに対応。

c1trus
c1trus

なんとキーボードを所持してなくても、プレビューモードでWEBドライバーの使い勝手を買う前に試すことができます…!

こんな機能は個人的に初で非常に良いと思います。
WEBドライバーの使い勝手は磁気キーボードでは命です。

c1trus
c1trus

誰でも触ることが可能ですので、
購入前に是非一度お試しください!

ファームウェアアップデート

右上の雲マークを押すとファームウェアの更新確認が出てくるので、
設定を始める前に必ずファームウェア更新をしておきましょう。

キーマップ

こちらからキーのリマップが可能です。

  • キーリマップの制限無し
  • 割当不可なし
  • IME ON/OFFあり
  • レイヤー4つ
  • プロファイル変更キー

自由度とカスタム性が半端なく高く、操作性も良いです!
レイヤーも4つあれば60%キーボードでも十二分な操作性を確保できます。

c1trus
c1trus

個人的にはWootingの次ぐらいにUIが使いやすく、設定の自由度も高いと思います!

IME ON/OFFがキーマップにある貴重な磁気キーボード…!
もちろんMod-Tapに設定可能ですので、左右Altに仕込むことがことが可能です。

ポーリングレート

右上の設定マークを押すとポーリングレートの設定ができます。

基本的には8000Hz固定で設定しおきましょう!

c1trus
c1trus

間違ってはないけど、報告率に毎回ツボってしまう…w
ポーリングレートでいいと思いますw

アドバンスドキー

こちらではMod-TapやSOCDなど拡張機能を設定可能です。

Mod-Tap

1つのキーで短押しと長押しを利用して2つの機能を実現できる機能です。

タイピング用途では短押しに日本語と英語切り替えを、長押しにAltを割り当てたり、
ゲーミング用途ではShift短押しでアビリティ、長押しでダッシュなど色んなシーンで利用されています。

c1trus
c1trus

僕はタイピング用途で、

  • 左AltにAlt/IME OFF
  • 右AltにAlt/IME ON

を割り振ったりしています。

長押し時間がデフォルトの200だとMod-Tapがうまく機能しない場合があるので、
個別に調整して意図した動作になる確認しておきましょう。

DKS

1つのキーでキーストロークに応じて最大4つの機能を割り当てることが可能です。

c1trus
c1trus

インゲームでは浅め歩き、深め走りや、しゃがみ/伏せ、アビリティの使い分けなどを1つのキーの押し込み具合で調節したりできます。

トグル

一度押せば押している状態が維持され、再度入力されると切れる機能です。

c1trus
c1trus

通常Shiftキーを押しながら走るのを、1回Shiftをタップすると押し続けなくても走りになり、再度Shift入力で歩きに戻せたりします。

RS(Rappy Snappy)

深度優先と呼ばれる処理方法になります。
2つのキーを同時に押すとストロークが深い方のキーが優先されます。

c1trus
c1trus

音ゲーの高速連打の補助、カウンターストレイフの高速化などがメリットです。

SOCD(Snappy Tappy)

バインドされたキーが同時に押された時、どちらか一方のみを優先して入力を有効にする(最後入力優先 or 絶対優先)か、または両方とも無効にするか(ニュートラル)を設定できます。

c1trus
c1trus

こちらもカウンターストレイフに有効です。

Rappy Snaapyとの差は優先順位の決定方法にあります。
深度を利用するのか、入力順を利用するのかの差になります。

パフォーマンス

ラピッドトリガー関連の設定はここです。

作動ポイント(AP:アクチュエーションポイント)

「どこまで押し込むとキーが反応するか」と認識してください。

キーが反応するまでの距離になり、浅ければ浅いほど当然キーの反応は早くなりますが、
誤動作の元にもなりますので自分にあった設定を見つけましょう。

APを超えると、次項のラピッドトリガー機能がONになります。

Tofixでは0.1mmが最短で、0.001mm単位で変更することが可能です。

高速作動(RT:ラピッドトリガー)

「どれだけ離すとキーの反応がなくなるか、また押し込むと反応するか」と認識してください。

リリース(リセット)はキーが反応しなくなるまでの距離になり、短ければ短いほどキーの入力が早く切れるので、VALORANTなどのストッピングが早くなり有利になります。

押下(作動)はラピッドトリガー起動中のAPとなります。
短いほどストッピングからの動き出しが早くなるということになります。

TofixではRT0.0001mmまで、0.001mm単位で設定は可能ですが、
公称値ではRT0.01mmとなっております。

c1trus
c1trus

実際デッドゾーンを含めると0.015mmあたりからが安定域です。

ボトムアウト保護(デッドゾーン)

デッドゾーンとは、「誤動作を防ぐために、AP/RTの反応しない区間」と認識してください。0mmにすることも可能です。

スイッチのプロファイル

キーごとにスイッチのプロファイルを選択できますので、複数スイッチ混合も可能です。
必ずご自身が利用のスイッチプロフィルを選択しておきましょう。

プロファイルも多種スイッチ用意されています。
主にTTC/Gateron系が多い印象です。

対応スイッチリスト
  • Mount Tai HE GT
  • Mount Tai HE
  • WS Flux / Flux DeepClacky
  • Green Dragon
  • Snow Switch
  • White Snake
  • Green Snake
  • Elf King
  • Jade Ruby
  • Emerald
  • Jade
  • Jade Pro
  • Jade Gaming
  • Uranus
  • Uranus Gaming
  • KOM
  • KOM RGB
  • KOM POM
  • Geon RAW HE
  • Seald Bottom

プロファイル

プロファイルは3つまで保存可能です。

c1trus
c1trus

タイピング、ゲーム①、ゲーム②みたいな使い方も可能ですね!

他の多くの磁気キーボードのプロファイルと違う点が1つあって、
キーリマップは全プロファイル共通となります。

パフォーマンスとアドバンストキーのみがプロファイルで変更される仕様です。

タイピング関連は全プロファイルで同一だろうという配慮から、
こういう設計になっていると思われます。

メリット

プロファイル変更によってキーマップが初期になった!もう一度設定しなきゃ、コピーしなきゃ!みたいなことが発生しません。

デメリット

僕みたいにMod-TapにIME切り替えを入れていると、そこは追従しないのでもう一度設定が必要になってしまいます。

c1trus
c1trus

あとプロファイルコピーがないんですが、たぶん上記のような設計思想のため同一のアドバンスドとパフォーマンスを設定することがないだろうということだと思われます。理にはかなってるね。

ライティング

キーごとにライティングの色を選択でき、エフェクトもたくさんありますね。

ライティングのコントロールはキーマップにも登録可能ですので、
ショートカットキーで制御することも可能です。

キャリブレーション

手動キャリブレーションとオートキャリブレーションを選択可能です。
あとの項目でも触れますが、自動キャリブレーションのほうが安定度が高いように思います。

最後に

c1trus
c1trus

今回は、Tofix Tofu60 HEを詳細にレビューしました!

以下がとても良かったポイントでした。

  • 使い勝手と自由度が高く、利便性が良いWebドライバー
  • 自動キャリブレーションの精度が良く、安定性が高い
  • 低遅延
  • パーツ選定の良さ、ビルドの質の高さ
  • カスタムの土台にできる
c1trus
c1trus

カスタムキーボードでしか中々得られないクオリテイが、
プレビルドで手に入るのは非常に大きいです!

欠点という欠点はないですが、個人的な気になるポイントは以下でした。

  • トレイマウントかつアルミプレートなので打鍵感が硬め
  • Mount Tai HE GTのトップアウト音が気になる
c1trus
c1trus

競技目線での精度の安定性を取るのであればこの構造で良いと思います。

タイピングのフィーリングや音の大きさや良さを取るのであれば、自身でカスタムするべきでしょう。

商品リンク(ad)

ABOUT ME
c1trus
c1trus
Device Reviwer / Composer / IT Engineer
本職はITエンジニア。 並行して作曲活動、デバイスレビュー、インテリアデザインなども行っております。 2024年より本格的にSNSにて、カスタムキーボード/デスク/ルームセットアップやデバイス関連のレビューの投稿をはじめ、暮らしを彩る情報を発信しております。 2025年に本ブログ「しとらするーむ」を開設。
記事URLをコピーしました