メカニカルと磁気が両用!?新たな挑戦作「Lofree Hyzen」使用レビュー

こんにちは!c1trusです。

今回はLofreeからリリース予定の世界初メカニカル磁気キーボード、
『Lofree Hyzen』を詳細にレビューしていきます。
メカニカルと磁気スイッチを両方兼ね備えた非常に面白いコンセプトの設計であり、
Lofreeの新たな挑戦作となっている今作。
POP-UPイベントでお聞きした質疑内容や今後の展望も含めて、
どういった製品となっているのか、詳しく見ていきましょう!
※レビューにあたりDIGIART様より商品をご提供いただきました。
※サンプル品のためデザインや機能が製品版と多少異なります。
メカニカル磁気キーボードとは…?

どっちやねん!!!!
と思った方も大勢いるでしょう👀
本当に言葉通りで、
「一台でメカニカルにも磁気にも両対応しているキーボード」です。
メカニカルキーボードの打鍵感や打鍵音はやはり唯一無二で、
磁気キーボードよりも優れている側面が大きいです。
一方で磁気キーボードはメカニカルと違って物理的な接点ではなく、
磁気センサーを用いた検出であるため、細かい調整や反応速度で分があります。

どちらも優れた側面がありながらも、
トレードオフのような関係性になっているのは事実です。
そこで「メカニカルの良さと磁気の良さを融合する」ということを目指して作られたのが、
メカニカル磁気キーボードである「Hyzen」というわけです。
Hyzenを支えるハードウェアやソフトウェアは一体どのようになっているのか、
じっくりと見ていきましょう!
付属品


- 本体
- ケーブル
- キーキャップ
- ドングル
- プラー
- ケース
となっています。
ハードウェア
外部構造
デザイン


「仕事ゲームを行き来する」という設計思想が現れるかのように、
非常にミニマルなデザインです。
インテリアに溶け込みつつも、アイコニックさは失われない質感とデザインは、
非常に美しいものだと感じます。

製品版ではケースのHYZENロゴが消えるらしいです!
配列
配列は67キーの65%レイアウト。
ゲームと仕事を1台で完結するという文脈においては良いラインかなと思います。
タイピング角度

タイピング角度はかなり急な方で、12°となっています。
人を選ぶタイピング角度であることは間違いなく、
ゲームの時も人によって上のキーをミスタッチする可能性も考えられます。
個人的には問題ないですが、無難な解ではないと思います。

12°だからという以前に、
あえて好みが分かれやすい角度にする必要が、
コンセプト的にないと感じます。
ノブ、接続端子

小さい方が「OFF、有線、無線」の切り替えノブ、
大きい方がボリュームノブとなっています。
その下に有線用のUSB-Cポートが存在します。
右側USBですね。
ノブはどちらもノッチ式のノブとなっています。
ボリュームノブはアサイン変更はできず、ボリューム変更のみとなります。

USBはFlow2のような右側面ではないので、
問題になるようなことはないです!
ボリュームノブはノッチ式じゃなくて、
オーディオ機器のようなノブが良かったです。
あと少しノブのガリがあり、建付けが気になります。

左側にもノブがあり、
上の1列をファンクションキーにする or 数字&記号にするかを選択可能です。

作業時だけテンキーを利用する場合などに便利かも!
※上の画面はタッチパネルではないです。
ライティング


キーのライティングと前面の間接照明の様なバーライトがあります。

それぞれライティングはドライバーから設定変更可能です!
内部構造

レビューのために分解をしていますが、推奨はしません!
Hyzenは内部のケーブルなどが多めなので、
フォームレスとかしたい人を除いてはそのままの方が安全です。
マウント
シリコンのPCBガスケットマウント採用。
スペース下のガスケットは好みが分かれますが、
打鍵感の柔らかさや、サウンドチューニングに寄与しています。

PCB
PCBはノンフレックスカット。
メカニカルのホットスワップソケットと磁気センサーの回路があって、
唯一無二な見た目のPCBとなっており面白いですね!

プレート
プレートはFR4のホワイトでノンフレックスカット。
中間の硬さを持つプレートでプラスチックと金属の中間ぐらいにあります。
音はプラに比べると少し硬質気味になりやすいです。

吸音

プレートフォームとPETシート、スイッチパッドで調音されています。


ボトムケース側は、Poron系のフォームとシートが一体化したものと
バッテリーなどの上にシートが敷かれています。
スタビライザー

プレートマウントを採用。
PCBを見た感じPCBマウントは非対応です。
許容範囲内ではありますが、
少しガタつきとノイズを感じます。
できれば他のスタビライザーに変更するか、
ルブを調整したほうが満足度は高いかなと思います。
キーキャップ

PC製のキーキャップで、厚さは実測1.5mm。
フロスト加工してあり手触りは良く、適度に滑るぐらいの感触。
ザラザラ感はないですね。

製品版ではキーキャップに変更があり、
スペースバーのHYZENロゴは削除される予定。
またMac用の表記が追加されたり、
矢印キーにライティング操作の表記も追加されるそう。
キースイッチ


今回肝となるメカニカルと磁気両用スイッチ「Nexus」を詳しく見ていきましょう!
標準搭載されているNexus Switchの仕様は以下となります。
素材構成や押下圧などは定番中の定番という感じですね。
| Parameter パラメーター | Specification 技術仕様 |
| Switch Type スイッチタイプ | Linear リニア |
| Operating Force 作動圧 | 40 ±10 gf |
| Total Travel 総トラベル | 3.4 ±0.05 mm |
| Actuation Point アクチュエーションポイント | Custom カスタム設定可能 |
| Initial Magnetic Flux 初期磁束量 | 90 ±5 Gs |
| Bottoming Magnetic Flux 底打ち磁束量 | 480 ±20 Gs |
| Magnetic Flux Test Condition 磁束量測定条件 | Measured on 1.6 mm PCB 1.6mm PCB上で測定 |
| Stem Material ステム素材 | POM |
| Top Housing Material トップハウジング素材 | PC |
| Bottom Housing Material ボトムハウジング素材 | Nylon ナイロン |
| Spring Material スプリング素材 | Stainless Steel ステンレススチール |
Contact Material 接点素材 | Composite Gold 複合金メッキ |
| Light Pipe Material ライトパイプ素材 | PC |
Magnet Material 磁石素材 | NdFeB (Ni-plated) NdFeB(ニッケルメッキ) |

では何が違うのか?
それはスイッチを分解してみると見えてきます!

まずはスイッチの裏…
磁気スイッチではありえないものがついていますね!
メカニカルスイッチのピンが付いており、
5pinのメカニカルスイッチ同様の構造になっています。

そして中は…
磁気スイッチには存在しないリーフがありますね…!!

スイッチを押下するとこのリーフが物理的な接点を生み出し、
電気回路がつながることで、メカニカルスイッチは動作します!
磁気はこういった接点を持たず、
センサーで磁気を検知することで動作します。


ステムは磁気スイッチとメカニカルのハイブリッドと言う感じで、
ポールの先には磁石が埋め込まれています。
この機構によって、
- メカニカルモードのときは通常のメカニカルスイッチの動作
- 磁気モードの時はセンサーで磁気を検知する
この両方が1つのスイッチで可能になると言うわけです。

感の良い人は気づいたかもしれませんが…
つまるところHyzenは、1台ですべてを完結させるという思想とは相反しますが、
- メカニカルモードなら通常のメカニカルスイッチで動作
- 磁気モードなら他のKS-20互換磁気スイッチで動作
Nexusスイッチでなくても、
メカニカルと磁気両方のホットスワップに対応するということです。

ホットスワップ対応ですがHyzenの思想に従うなら、
現状はNexusスイッチ以外の選択肢はありません。
今後タクタイルや静音など、
その他スイッチのラインナップも登場するそうです!


実測ストロークは3.6mmでちょっと公称よりは大きいかも?
スプリングは19.0mmでロングスプリング。
ルブはステムに適度になされています。
スムーズではありますが、擦れる音と感触はあり、
バネ鳴きのある個体も少しあります。

磁気スイッチにリーフが追加されて、メカニカルのような感触と音ですばらしい!という単純な話ではないなと思いました。
ステムの磁石が底を打つタイプですし、どちらかと言うと磁気スイッチ」の方が印象が近い気がしています。
打鍵音・打鍵感

動画で打鍵音を確認していきましょう!
打鍵音はアルファ、modで印象はそこまで差はなく、
ある程度一貫したサウンドチューニングがされていると思います。
FR4プレートでアルミより低音抑え気味の、軽く小気味の良いコツコツした音で、
ケース内部が分厚いですが、共鳴も上手く抑えられています。
スイッチのトップアウトは大きくないですが、
ボックスステム系のボフッとした感じは好みが分かれると思います。
スタビライザーのあるキー、特にスペースバーは少しスタビの音が気になりますね。
打鍵感は多少ガスケットの沈み込みはあるものの硬め寄り。
とは言っても長時間打鍵して疲れるようなレベルではないです。
ラピッドトリガーの遅延・精度
Swagkeys Neon Testerを用いて計測を行いました。
| Keyboard | Key Up (ms) | Key Down (ms) |
| DrunkDeer A75 Ultra | 0.739 | 0.467 |
| AMISIS Solo Leveling | 0.944 | 0.456 |
| Wooting 80HE (Tachyon) | 0.468 | 0.461 |
| Tofix 60 | 0.345 | 1.447 |
| MelGeek Real67 | 0.403 | 0.214 |
| Pulsar PCMK3 60HE | 7.82 | 0.238 |
| Attack SharkR85HE | 0.36 | 0.848 |
| DrunkDeer X60 | 0.542 | 6.763 |
| MCHOSE Ace68 Turbo | 0.313 | 0.622 |
| Storia Comet75 | 1.054 | 7.809 |
| Arbiter Studio ARC60 | 0.403 | 0.52 |
| Wuque Studio Flux 60HE | 0.431 | 0.578 |
| Rakka Atlas | 0.302 | 0.129 |
| Wraith W60 | 0.565 | 1.55 |
| Everglide AE68 Pro | 0.488 | 0.329 |
| NINX NX60 | 0.347 | 0.395 |
| Locus 64 HE | 0.517 | 0.471 |
| Lofree Hyzen | 2.733 | 1.271 |
最短設定かつ8kの有線で計測していますが、
ちょっと遅延が大きめだと思います。
インゲームの体感でもRTは効いているものの、
動きの機敏さが他に比べるとヌルい印象があります。
競技用を目指しているようなコンセプトではないものの、
スペック的にはもう少し遅延は少なく出てもいいような気がしますね。

スペックシート的には、
そこまで足を引っ張るようなところは感じないんですが…🤔
ソフトウェア
Webドライバーに対応しています。

デモバージョンであり、
既知の不具合や今後アプデで改善や追加される内容等があります。
ただそれにしても設定が元に戻っていたり、
動作が極端に重かったりしたのでフィードバックは行っておきます。
設定

まずは必ずファームウェアアップデートしておきましょう。
スリープや言語切替、ポーリングレートの設定はこちらです。

無線で8kポーリングに対応したラピトリ搭載キーボードは
ほぼ存在しないはず…!
ただ8kHz時はバッテリーの消費は大きいことが予想されるので、
その点は注意する必要があります。
プロファイル

7個まで設定できます。
それぞれメカニカルモードと磁気モードを設定することが可能で、
ショートカットキーで指定のプロファイルや前後のプロファイルに移動できます。
キーマップ

キーのリマップが可能です。
Win/Macで切り替えることも可能。
レイヤーは3つ存在して、
- デフォルト
- fn
- fn+shift
以上での切り替えが可能です。
デフォルトのFnの位置だけ変更できないようですが、
Fnを他のキーに振ることはできますし、実質制限は無しに近いです。
メディアキーやプロファイルの切り替え、マクロなども存在します。

現時点では日本語配列対応、IME ON/OFFなどがありませんが、
リリースまでにはアップデートで対応されるようです。
トリガー設定

左上で磁気モードになっている場合は、
こちらからRT含むトリガー設定が可能です。
AP0.01mm/RT0.01mmまで設定可能。
RTはリリース、トリガー個別に調整可能。
デッドゾーンはトップ0.05mm、ボトム0.1mmからの設定となっています。
アドバンストキー
TGL 切替

トグルキーのことですね。
一度押せば押している状態が維持され、再度入力されると切れる機能です。

通常Shiftキーを押しながら走るのを、1回Shiftをタップすると押し続けなくても走りになり、再度Shift入力で歩きに戻せたりします。
MT 二重クリック

Mod-Tapのことです。
1つのキーで短押しと長押しを利用して2つの機能を実現できる機能です。
ゲーミング用途ではShift短押しでアビリティ、
長押しでダッシュなど色んなシーンで利用されています。
DKS 動的キー

DKSです。
1つのキーでキーストロークに応じて最大4つの機能を割り当てることが可能です。

インゲームでは浅め歩き、深め走りや、しゃがみ/伏せ、アビリティの使い分けなどを1つのキーの押し込み具合で調節したりできます。
RS キー優先

Rappy Snappyのことです。
深度優先と呼ばれる処理方法になります。
2つのキーを同時に押すとストロークが深い方のキーが優先されます。
カウンターストレイフに有効。
SOCD 優先

SOCDです。Snappy Tappy / Super Tapに同じ。
バインドされたキーが同時に押された時、どちらか一方のみを優先して入力を有効にする(最後入力優先 or 絶対優先)か、または両方とも無効にするか(ニュートラル)を設定できます。
カウンターストレイフに有効です。

RS(Rappy Snaapy)との差は優先順位の決定方法にあります。
深度を利用するのか、入力順を利用するのかの差になります。
HT 連動

Hyper Tapです。
最近一部磁気キーボードにある、
「キーを離した時に別のキーを入力する」みたいなことが実現できる機能です。
自動逆キーみたいな事ができますね。
ライティング

バックライト、フロントのバーライト、レシーバーのライトを変更可能です。
テーマライトは全体の色とエフェクトが一括で変更される、
プリセットみたいなものです。
モード設定

磁気スイッチのプロファイル選択です。
複数スイッチ混合も可能。
TMRセンサーを用いているだけで、
従来のKS-20互換の磁気スイッチは利用可能です。

必ず変更時と初回利用時はキャリブレーションしましょう!
キャリブレーション

さいごに

今回はLofree Hyzenをレビューしました。
世界初のメカニカルと磁気両対応のキーボードという、
Lofreeらしい非常に挑戦的な製品となっています。
仕事とゲームを文字通り1台で完結させることが可能です。
ワイヤレスで8kHz対応の磁気キーボードという点も魅力ですね。
プロファイルごとに磁気とメカニカルを切り替えて使用できるので、
技術的に非常に面白い製品だなと強く感じます。
一方で、
- Webドライバーの安定性
- ゲームにおけるキーボードのレイテンシ
- 12°のタイピング角度
- スイッチのどっちつかず感
こういった点は気になり、今後の課題であると感じます。
今後もスイッチが開発されたり、
アップデートが続いていくとのことですので、
どのように進化を遂げるのかが楽しみです。
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