「AMICIS x 俺だけレベルアップな件」ガチすぎるコラボデバイスレビュー

はじめに

こんにちは、c1trusです。
今回はAMICIS様より、
人気アニメ「俺だけレベルアップな件」とのコラボゲーミングデバイスを、
ご提供いただきました。

AMICISさんって?
AMICISさんはアニメやVtuberさんとのコラボゲーミングデバイスを手掛けています。
界隈で知らない人はいないLuminkeyやPulsarが製造に関わっており、
ハイクオリティなゲーミングデバイスであることは間違いなしのはず。
ラピトリキーボード、ガラスマウスパッド、布マウスパッドが
ラインナップされていますので、詳細にレビューしていきます。
キーボード
キーキャップにティザービジュアルが大きく描かれて、
美しいデザインとなっています。
機能面やハードウェア面も非常にこだわりを感じるので、
いつものように細かく分解してレビューしていきます。

機能面について
Webドライバー対応

Webドライバーに対応しており、ここから各種アップデートやキーボードの全設定を変更する事ができます。日本語にも対応しており、設定も非常に明快でヘルプも書いてあるので、初心者の方にも優しい設計となっています。

日本語がカタコトじゃなくてしっかり翻訳されてるのが好印象!

設定を始める前に、必ずその他の設定からファームウェアアップデートをしましょう!

必要な場合のみで結構ですが、
重要なアップデートも多く含まれますので、
初回は必ず確認しましょう!
パフォーマンス


アクチュエーションポイント、ラピッドトリガー、デッドゾーンの設定はここで行います。
アクチェーションポイント(AP)
「どこまで押し込むとキーが反応するか」と認識してください。キーが反応するまでの距離になり、浅ければ浅いほど当然キーの反応は早くなりますが、誤動作の元にもなりますので自分にあった設定を見つけましょう。
0.1mm単位で調整が可能なので、最短では0.1mmとなります。
ラピッドトリガー(RT)
「どれだけ離すとキーの反応がなくなるか」と認識してください。キーが反応しなくなるまでの距離になり、短ければ短いほどキーの入力が早く切れるので、VALORANTなどのストッピングが早くなり有利になります。
ただ機種の検出精度やその他条件で0.01mmなどの極小値に設定すると意図しない入力切れが発生して不利になってしまうことがあります。そのために、後述のデッドゾーンが存在しています。
0.005mm単位で調整が可能なので、最短は0.005mmとなります。


難しい話になりますが、キーの押し込み量がAPを超えている場合で、リリースポイントで入力が切れてから入力がオンになるまでの距離が、RTのプレスで設定できる内容です。
リリースと別に設定もできますが、初めは個別ではなく同じ値にしておくことをおすすめします。
連続ラピッドトリガー
RTは通常「APよりもキーが押し込まれている時」のみ機能します。連続ラピッドトリガーは1度RTが有効になると、完全にキーを離すまでAPと関係なく全区間で機能するようになります。
デッドゾーン
「誤動作を防ぐために、AP/RTの反応しない区間」と認識してください。
初期デッドゾーンはトップデッドゾーンとも言われ、APに対しての誤動作を防ぐためのものなので、「デッドゾーン設定値+AP設定値」が本当にキーが反応する距離となります。
ボトムデッドゾーンは、RTに対しての誤動作を防ぐためのものなので、「デッドゾーン設定値+RT設定値」が本当にキーの入力が切れる距離となります。
デッドゾーンゼロも可能で、検出精度の高さやスイッチのブレの少なさなど条件が揃っていれば、極小値でも安定して動作させることが可能です。
本キーボードは「高度な設定」からデッドゾーンを調整可能で、
0に設定することも可能です。

しばらく0.005mmRT+デッドゾーンゼロで運用してみましたが、
たまに接続切れ(数時間に1回)起きる程度でした。
Jade Proと同等の性能だとするともっと接続切れすると思うので、
後述のリリース最適化と多少の軸ブレ改善が影響していそう。

デッドゾーンゼロで運用するなら0.01mm-からが安全だと思います!
キースイッチ設定とキャリブレーション

「単キーのスイッチを設定」からスイッチを1つ単位で選択可能です。
本機搭載のMagger Switch以外にTTC kingやJade Proなど有名どころはあります。
ちょっと現時点ではプロファイルが少ないかも?

でもFocusとかあるの珍しいですね…!
高速モードとリリース最適化

高速モードは他社のタキオンモードなどと同等だと思われる、
遅延を少なくするモードですね。
リリース最適化は、
スイッチのストローク誤差から生まれる、誤リセットを防止できるそう。

これのおかげかMagger Switchの安定度が高い気がしますね!
カスタムキー

カスタムキーではキーマップのリマップが可能です。
制限はほぼなく割り当てたいキーを割り当てられます。
Fnキーのリマップなんかも可能ですね!
レイヤーは4つありますが、
0-1がWin、2-3がMacのよくある形になっております。
IME ON/OFFのキーリマップが存在しないのが、
かなり惜しい点だと思います。
ソフト側のアップデートで対応できる範囲だと思うので、
ぜひ対応して欲しいところ。

日本でUS配列の60%-65%のキーボードを使用するにあたっては、Mod-TapでIME ON/OFFができることは必須条件にしたほうが良いと思っています。タイピング時にCtrl + spaceなどコンビネーションキーでIME切り替えは想像以上にストレスを生みます。
プロファイル

ゲームタイトルやタイピングに合わせて、
プロファイルを分けて保存することが可能です。
また「Fn+Shift+1/2/3/4」でショートカットキーで切り替え可能です!

欲を言えばFn+1/2/3/4などコンビネーションの数を減らすか、
プロファイル切り替えをキーリマップでアサインできるようにできれば良かったかも🤔
高度なキー

ダイナミックキーストローク(DKS)
1つのキーでキーストロークに応じて4つの機能を割り当てることが可能です。
浅め歩き、深め走りや、しゃがみ/伏せ、アビリティの使い分けなどを1つのキーの押し込み具合で調節できる機能なので、色んな汎用性が考えられます。
Mod-Tap
1つのキーで短押しと長押しを利用して2つの機能を実現できる機能です。
タイピング用途では短押しに日本語と英語切り替えを、長押しにAltを割り当てたり、
ゲーミング用途ではShift短押しでアビリティ、長押しでダッシュなど色んなシーンで利用されています。
トグルキー
一度押せば押している状態が維持され、再度入力されると切れる機能です。
通常Shiftキーを押しながら走るのを、1回Shiftをタップすると押し続けなくても走りになり、再度Shift入力で歩きに戻せたりします。
Rappy Snappy
SOCD機能の1つで、深度優先と呼ばれる処理方法になります。
WootingのRappy Snappyと同等で、2つのキーを同時に押すとストロークが深い方のキーが優先されます。
Snappy Tappy
バインドされたキーが同時に押された時、どちらか一方のみを優先して入力を有効にする(最後入力優先 or 絶対優先)か、または両方とも無効にするか(ニュートラル)を設定できます。
WootingのSnappy Tappyや各社のSnap-tap、Super-tapと呼ばれる機能と同等の機能を設定することが可能です。
OKS
2つのキーを結びつけて監視し、いずれかのキーを解放すると自動的にもう一つのキーがアクティブになる機能。
NuPhy BH65のHyper Tapと同等で、
端的に言うなら「A」を離すと同時に「D」が入力される、
つまり自動逆キーが可能な機能です。
ハードウェア面について
キーキャップ

キービジュアルが印刷された美しいデザインのキーキャップです。
PBTで1.5mm厚のキーキャップとなっており、加工もキレイです。
手触りもよく、適度にスイッチのトップアウト音も抑えられ
品質の良いキーキャップに仕上がっていると思います。
キースイッチ

LUMINKEY x GATERONで共同開発したオリジナルのMagger Switchを採用しています。
性能はJade Proと同様のようですが、
明らかにこちらのほうが軸ブレが少なく、ルブの質が高いです。
音は似た系統であることは間違いないですが、
ルブの質が向上したのと、トップアウト音がJade Proよりも抑制されているので、
改良版Jade Proという表現がしっくり来ます。
軸ブレは改善していますが、最近のステムほどブレがないわけではなく、
Jade Proよりちょっと揺れない程度です。

下に打鍵音サンプルもあります!

スプリングは実測17.6mmのシングルステージ。

ステムは実測10.9mmで標準程度の長さです。
素材構成が書かれていませんが、Jade Proと同等で音も近いことから
トップがPC、ボトムがPA66、ステムPOMのクラシカル構成だと思われます。

PA66にPOMステムが結局一番安心する音が出ますよね…🧡
筐体/部品
ケース
フルアルミケースで、Spray-Coatedのようなマットなザラつきがあり
非常に高級感があるケースとなっています。
またフロントハイト(手前の高さ)が非常に低い設計となっているのが、
非常に良いです!これはわかってる人間の犯行。
タイピングやゲームでも手首が疲れないので非常に良いですね。

フロントの実測が16.9mm-17.1mmぐらいなので、
ノーマルプロファイルキーボード界でもかなり低めです
内部構造



サンドイッチマウント構造を採用。
ってなんだ…?と思って中身を開けてみました。
FR4のポジショニングプレートとPCBの間に、
シリコン製のサンドイッチフォームが挟まっているのですが、
このフォームがガスケットになっています。
サンドイッチフォームガスケットということですね。
このマウントのお陰で、
打鍵感と打鍵音がHEキーボードでトップクラスに良いです。

ガスケットともO-ringともとれる感触…って思ったのが分解して納得できました!Wooting 80HEの構造と非常に近いと思えば分かりやすいかも!

ボトムフォームもシリコン製です。
Tape-Modを兼ねたような形状となっており、
こちらも打鍵感、打鍵音の向上につながっていますね!
打鍵音・打鍵感

打鍵音いかがでしょうか?
スイッチはJade Proより少しトップアウトが抑えられ、個体差は少々あるもののThockyでいい音です。
筐体の共鳴はしっかりと抑えられていますが、少し底面の振動がデスクに伝わりやすいかも。
打鍵感はモチっとしたボトムアウトの感触があり柔らかくはないですが、
硬すぎるフィードバックも無く良好。
サンドイッチフォームマウントが非常にいい味を出しているなと個人的に感じました。
ガラスマウスパッド
こちらはPulsar社のSuperglide Glass Mousepad v2と、
イラスト以外のスペック基本的に同じとなります。
ですので使用感レビュー内容自体はSuperglide Glass Mousepad v2と同じです。
デザイン
アニメのティザービジュアルを使用したデザインです。
発色もよく美しいですね!

サイズ
W490mm x H420mm x D1.5mm(+1mm シリコンラバー) となっています。
サイズ展開が1枚であることを考えると、ローセンシからハイセンシ、
タクティカルシューターからヒーローシューター系まで
幅広いプレイヤーに対応したサイズ感です。
また底面のシリコンを含め2.5mm厚でそのへんの布よりも薄いです。
分厚めのガラスと違って段差を感じにくく、エッジが腕に刺さりくいです。
サーフェイス

ガラスの中でも非常にサラサラした表面の仕上がりとなっています。

汗ばんだりしてくると引っかかるので、アームカバーは推奨
スピードはガラスの中ではバランス程度。
アルミノシリケートガラス(ゴリラガラスとも呼ばれる化学強化ガラスの一種)を
使用しており、非常に硬く傷がつきにくくなっているらしい。
ベース

ベースは高密度のシリコンゴムを使用。
裏面の滑り止めはかなり強く、Flexispotのメラミン化粧板天板でもうまく機能しています。
設置した場所から強い力をかけても動かないので、激しいプレイでも安定します。
ガラスでは角4点のみに滑り止めがついているものも散見されますが、
シリコンが裏面全面を覆っているため中央がたわむこともなく、
安定した操作感が得られるのもメリット。
操作感/ターゲット
ガラスの中ではバランスに属します。
SP-004やArbiterのガラスと比べると1段階以上は遅く、
Cosmic Glass v2やCR-005などと比べると1段階以上は速いです。

近しい速度感で言えば、AIM1叢雲やAIMPAD1.5でしょうか
初動の滑り出しは軽く、滑走時や切り返しに適度なブレーキングがあり
コントロールしやすい印象です。
マイクロフリックは程よくブレーキ感があり操作しやすく、振り抜くとバランス相当の軽さが出てくるので振り抜きやすいです。
付属のUPEソールや、その他Obsidian ProやOwepoweのEagle-Blackに変更すると
一段階遅くなり、抵抗感がありながらも滑りは一定な操作感を得ることができます。

滑走音も静かになるのでオススメ!
個人的にはOwepoweのEagle-Black Largeが好みですが、
粘つきがほしいならObsidian系のほうがいいかも。
ソールによって速度感をある程度コントロールすることが可能なので、
色んなタイトルで使用することが可能だと思います。
ただ布パッドを含めると全体でスピードタイプに属するので、
ミドルからハイセンシであまり力んだエイムをしない方にオススメ。
布マウスパッド
デザイン
アニメのティザービジュアルを使用したデザインとなっており、
デザイン違いで2種展開となっております。
非常に発色が良いです。


国内のアパレルメーカー協力のもと、インクにまでこだわったそう!
サイズ
W490mm x H420mm x D3.5mm となっています。
サイズ展開が1枚であることを考えると、ローセンシからハイセンシ、タクティカルシューターからヒーローシューター系まで幅広いプレイヤーに対応したサイズ感かと思います。
また奥行きが420mmですので、デスクの奥行きにも配慮が感じられ、
幅広いシーンでの使用を想定されていると感じます。

極度にローセンシだと縦420mmはヒーロシューター系で厳しい場面がありますが、幅広い層にターゲットを持ちたい製品だと思うので正解だと個人的に思います。
サーフェイス

表面は若干ザラッとしてしおり、繊維感はありますが、
肌触りは非常に良いです。
Artisan 零のザラつきが抑えられたイメージが近いかも。
滑りはバランスに属する表面となっています。
Artisan零よりはちょっと遅くVAXEE PAよりは速いですね。
エッジのステッチ加工もキレイです。
ベース

ベースの硬度はSoft程度、Pulsar ES2のアルファセルに近しい印象を受けます。
なので多分ポリウレタン素材。
裏面の滑り止めはかなり強く、Flexispotのメラミン化粧板天板でもうまく機能しています。
設置した場所から強い力をかけても動かないので、激しいプレイでも安定します。

天板への吸着感も強めですね!
操作感/ターゲット
AMICIS ゲーミングマウスパッド 仁 -JIN-はバランスに分類されます。
初動や切り返しは軽めです。
硬度がSOFT相当なので沈み込みによって適度なブレーキングも得られます。
マイクロフリックは初動が軽く、
少し力を入れるとブレーキがかかるので調整はしやすいです。
初動と滑走時の差がないので、
振り抜きも初動の軽さのままで一定感感覚で操作できます。
力をかけるとサッと止まるので、ローセンシパワーエイマーでも
ブレはそこまで気にならないですね。
1つ気になったのは、エッジが滑走面より高い部分があるので、
乗り上げたときに違和感はあります。

ターゲットとしては幅広い層で使用可能で、
極端にスピードやコントール性を求めないのであれば、
オールラウンダーになりえるかなと思います。
さいごに

今回は「AMICIS x 俺だけレベルアップな件」コラボの
ラピトリキーボード、ガラスマウスパッド、布マウスパッドを
詳しくみていきました。
イラストやグッズとしての価値という側面だけではなく、
ゲーミングデバイスとしてまず一級品であり、
トップクラスの性能を持っています。
Esportsでの使用にも耐えうるデバイスかつアニメのグッズとしての価値もあり、
特にキーボードやガラスマウスパッドなどは非常に長く使えるため、
ゲーマーであってもなくても、アニメのファンであってもなくても
買って損の無いデバイスに仕上がっていると思います。
いくつか実装して欲しい改善できるポイントはあるので、
特にキーボードの仕様はある程度注意が必要かもしれません。

オタクにとって長く使えて、飾れるデバイスは神ですよ…
では!